シャドーイングとは?
シャドーイングとは、元々は通訳訓練における基礎トレーニング法の一つでした。現在では、特に日本やアジア諸国で、学校の授業や一般の英語学習者向けトレーニングの現場にも広く取り入れられるようになっています。
では、シャドーイングとは、具体的にどのような練習方法なのでしょうか?
「シャドーイングは、聞こえてくるスピーチに対してほぼ同時に、あるいは一定の間をおいてそのスピーチと同じ発話を口頭で再生すること」
すなわち、リピート練習(repeating)のように、音声が流れたあとに間をおいて発話するのではなく、音声の直後に、ほとんど音声が重なるように発話を行います。影(shadow)のように音声を追いかける様子からシャドーイング(shadowing)と呼ばれています。
これを聞くと、もしかしたら、わたしたちはシャドーイングのような行為を日常生活で行っているのではないか、とこれを聞くと、もしかしたら、わたしたちはシャドーイングのような行為を日常生活で行っているのではないか、といった疑問が沸いてくるかもしれません。まさにその通りです。
わたしたちは日々の生活の中でぶつぶつ言ったり、心の中で相手の言うことを繰り返してみたりしています。この心の中の声ともいうべきものは、音声のイメージを短期記憶において保持することに役立ちます。
シャドーイングは、この心の中の声をリスニング訓練のために、意識的に、さらに高度の集中力を注いで行う練習です。
シャドーイングのメリット
シャドーイングの先行研究によると、シャドーイングには、以下のメリットがあることが分かっています。
1.リスニング力が鍛えられる
2.スピーキング力が鍛えられる
3.発音が鍛えられる
一つずつ見ていきます。
1.リスニング力が鍛えられる
文字を見ずに行うシャドーイングでは、聞こえてくる音声をまず聞き取ることが前提条件です。シャドーイングでは、間を置かずに次々に音声を真似していく必要があるため、音素(音の最小単位)にまで注意が向くようになります。よって、単語の音声認識が高まり、リスニング力が向上します。
2.スピーキング力が鍛えられる
スピーキングは、リスニング力と密接に関わる重要な技能です。シャドーイングでは音声を実際に口に出すため、結果的に英語を話す力につながります。特に、音の連結(リンキング)や脱落、リズムなど、文全体として英語らしい音を総合的に身につけることができるようになります。
例えば、good nightは[ d ]と[ t ]の音が脱落して「グッナイ」になりますね。
こういうリンキングを身に着けられるのです。
3.発音が鍛えられる
スピーキング力とともに、シャドーイングを行うことで発音矯正の効果も期待できます。シャドーイングを行ったあとに、発音チェックを行うことで、自分の発音が向上しているかを確認するとさらに効果的です。
このように、シャドーイングは「聞く(インプット)」と「話す(アウトプット)」を同時に行えるため、英語学習に貢献できる方法の一つです。
シャドーイングのやり方
このようにメリットの多いシャドーイングですが、比較的難易度の高い方法であることも忘れずに。
以下のステップを踏みながら行うことで、初心者でもシャドーイングを効果的に取り入れることができます。
1.自分のレベルにあった英文を選ぶ
特に初心者の場合は、自分のレベルと同じ程度か、それよりも少し簡単な英文を選ぶとよいでしょう。
2.英文を読んで内容を理解する
新しい英文よりも、内容をすでに知っている英文や、馴染みのある英文を使用するとよいでしょう。新しい英文を使用する場合は、まず英文を読んで、内容を理解しておきましょう。単語や文法の分からないところがあったら、それも学んでおきましょう。「読んで理解できる」状態にしておくのがコツです。
3.英文の音声を聞く
4.英文を見ながら音読する
音読だけではなく、リピートをしてもよいです。ある程度、英文を発音できるようにしておくのがコツです。
5.英文を見ずに、シャドーイングをする
6.英文を見て振り返る
最後に、もう一度音声を聞きながら、英文を確認してみましょう。自分がどのくらいシャドーイングができたのか、難しかったところを確認しましょう。余裕があったら、もう一度シャドーイングを繰り返してみましょう。
マリーナイングリッシュスクールでは、シャドーイングを取り入れながらリスニング強化を行っています♪